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幼女戦記の作者、カルロ・ゼン氏の『ヤキトリ』はライトかヘヴィか

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ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下






あの幼女戦記の作者カルロ・ゼン氏の新シリーズが今年の8月7日発表された。

ジャンルとしてはSFに分類され、氏の著作としては珍しく、いつものハードカバー形式(物理的に重い)ではなく、文庫本サイズで販売されている。

しかし「僕ラノベですよ~今回は中高生にも配慮して書きましたよ~☆(ゝω・)vキャピ」という雰囲気に騙されてしまった方は、一度深呼吸して心を落ち着かせ、一息に読み終えるか、買取価格が下がる前に最寄りのブックオフに駆け込んだ方がいいだろう。


決して、挿絵が一枚もねーじゃねーか!と怒りを露わに窓から投げ捨ててはいけない。


私も、「お前はLOか」と秘かに突込みを入れてしまった。


だが幸いにも窓から投げ捨てないだけの自制心があったので、これ以上犠牲者が増えないようにこの本についての記事を書いていきたいと思う。




皆さんはヘヴィーレフトノベルという言葉をご存じだろうか?


これはハードカバーで刊行しておきながら「私の作品はライトノベルです(`・ω・´)」とのたまう著者に対し「いや違ぇよ?」と正しい事実を突きつける為に作られた言葉だ。


私が検証してみたところ、一般的なライトノベルが200g前後なのに対し、氏の著書『幼女戦記』は460~570gと、重量に関して言えば倍以上の開きがある。これをライトノベルと言い張るのは、個人の感想であり実際の重量を指し示すものではありませんとしか言いようがない。



しかし『ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下』は実測198gという大幅な軽量化を果たしている。まさしくスーパーレッジェーラといっても過言ではないだろう。


しかも驚くことにカーボンファイバーやチタニウム3Dプリントといった先進的な軽量化技術は一切使用されていない。



そしてその秘密は作中の本文にあった。



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画像はkindle版ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下【地球総督府無償提供版】より



おわかりいただけただろうか?



そう、なんと!この作者、文庫本サイズのライトノベルを刊行するにあたって、何もしていないのである!



どういう事かというと、ハードカバー形式の文章をそのままライトノベルにしてきたのだ。



ではハードカバー形式とライトノベルの文章の違いとは一体何なのか?



それは1つの文章に対しての文字数だ。


一般的なライトノベルは短く簡潔な文章と、セリフ回しを好み、多用する。それは文庫本サイズで刊行した時、行間が狭くなり、読みにくくなるからだ。そして読みにくいというのは、中高校生をターゲットにしたライトノベルにおいて致命的な欠点になる。



しかしハードカバー形式の場合は事情が異なってくる。



何故ならライトノベルなどの文庫本より広い行間を持ち、上下左右の余白が大きくなるからだ。こうなると今度は逆に、長く、情報量の多い読みにくい文章を書くことが求められる。これは読者に深い没入感と読み終えた時の達成感を与えるためだ。



と考えるとカルロ・ゼン氏の『ヤキトリ』における文体は手抜き故の悪手、またはサボタージュと言えるだろうか?



いや、違う。



というか前例は世の中に掃いて捨てる程あるのだ。そう我らがライトノベル最大の怨敵、出版業界の大満足、手垢でベッタベタの恋愛と無意味な殺人を書くしか能のないくせに何故か売れている一般文芸小説だ。



彼らは難解な文体と狭い行間を持ちつつも、台所に住み着いたゴキブリのごとく、何故か現代まで生き残ってしまっている。



つまり難解な文体で狭い行間を持つ文庫本形式の本というのは、非常に認めたくないが、ある程度の需要と前例が存在するのだ。



事実、この作品は面白い。



作中、読者は反骨精神溢れる主人公アキラの目を通して、あらゆる謎に翻弄される。現実世界とは異なる意味を持つ、ヤキトリという単語、主人公たちに課される理不尽な課題、そしてその先に待つもの。



それらが描く結末に思いを馳せながらページをめくると、ストーリーは登場人物のユーモアあふれるやり取りを挟みながら緩やかに進展する。そのあまりの緩やかさに思わず窓から投げ捨てたくなるかもしれない。しかし、ストーリーがある一点を超えた時、その印象は180°変わることになる。それは間違いない。



残りはあっという間の1時間だった。詳細な内容についてはぜび各人の目でご覧いただきたい。



なお次作について著者は「炭の調子が悪いので当分かかりそうですね」と時期については言葉尻を濁しながらも、創作意欲を見せているので、そう遠くないうちにお目にかかれるのではないかと思う。
(個人の感想であり実際の出版時期を示すものではありません)






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